劉裕を知るための第一級史料が、何はさておき「宋書」であることは異論を俟たない。だが、ここで問題が発生する。宋書に邦訳というものは存在しない。なので浅学の愚もあえて無視し、とにもかくにも宋書に載る情報を自分なりに整理して行こう、と期した。よって当ページにて宋書武帝紀上中下巻の私訳、及び志に掲載される諸情報の整理を行い、提示する。最大の目的は「たぶんうっかりミスあると思うので教えてね☆」なのだが、まぁそこは非常にドメスティックなアレである。
・武帝紀私訳について
訳出に当たっては、宋書の撰者沈約が宋書作成をもし現代日本語でなしたとしたらどのような言い方をするであろうか、という点を念頭に置いている。すなわち「この書が何を訴えているのか」の紹介を所与の目的とし訳者の主義主張を声高に宣言するものではない。
とはいえ年代も場所も大きく離れている二人の人間に意思の同調など望むべくもない、ゆえに様々な相違部分も生じてくることになろう。この点に関してはもはや読者諸氏の卓見を待つばかりだが、問題がひとつあり誰が劉裕なんて知(ry
本訳の準拠テキストはWikisource 宋書である。元々中華書局標点本を用いていたのだが、引き写すにあたってあまりにも面倒くさいため、いったん丸々テキストをコピー、そこから逐文訳と言う形式に移行した。現在、ほぼデイリーで一文一段ごと更新している。カメの歩みの如きペースであるが、そこはご寛恕願いたい。途中長々と放置期間ができたことを反省し、「続ける」「終わらせる」ことを最優先にしての措置である。
訳出に際しては web 上に転がっていた資治通鑑本末の邦訳、および吉川忠夫「劉裕――江南の英雄 南朝宋の武帝」を参考としている。特に後者はその道のプロの手によるものということで、特に上疎文、詔勅文の理解にあたって非常に重宝している。できればすべての詔勅系を訳してもらいたいと思ったのだが、そこはさすがにわがままと言うものだろう。
・志集積について
現在当サイトでは宋書晋書の情報を、かなり乱暴に収集している。これら収集した情報をもとに志の記事についての話を進める予定でいるのだが、とりあえず収集のしかたにうっかりミスが多発している可能性が高い。なのでそもそも集めたデータにうっかりがある、くらいのおおらかな気持ちで諸情報については眺めていただきたい。勿論極力うっかりは潰していきたいので、折に触れご指摘くだされば幸いである。